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テスト・調整リリース

アルファ版|完成前の版の呼び方と、外へ出すときの決まり

完成前の版のうち、通して遊べる形にはなっていて、機能も内容もまだ入りきっていない段階のもの

アルファ版 とは何ですか

アルファ版 は、英語の alpha version(アルファ バージョン)の訳です。alpha はギリシャ文字の最初の字(α)の名前で、「最初の段階」という意味で使われます。次の段階は、2番目の字(β)の名前をとってベータ版と呼びます。

ゲーム作りでは、開発の途中の版につける呼び名のひとつです。動くところまでは来ていて、予定している機能と内容がまだ全部は入っていない段階を指します。

  • 含むもの — 主な遊びの流れが通しで動く版、面や敵や台詞が一部だけ入っている版
  • 含まないもの — 画面が出るだけで遊びの流れが無い版、内容が揃って調整だけが残っている版(ベータ版と呼び分けます)

アルファ版 は何のためにありますか

完成前の版に名前を付けるのは、それを受け取る人に「まだ途中である」と伝えるためです。

Steam(ゲームのストア。運営は Valve(バルブ)という会社)の早期アクセスは、この考えに沿った売り方です。Steamworks(Steam に作品を出す作り手のための仕組み)のドキュメントは、早期アクセスを「遊べるアルファ版かベータ版の状態にあり、開発を続けて発売する予定のゲームのための場所」とし、購入する人に「未完成のものとして受け取ってほしい」という前提を伝える仕組みだと書いています。

版の番号にも、途中であることを示す決まりがあります。セマンティック バージョニング(版の番号の付け方を定めた文書)2.0.0 は、番号のうしろに -alpha のような印を付けた版を先行リリース版と定め、その版が不安定で、意図した互換性を満たさない場合があることを示すと書いています。

Steamworks のドキュメントは、早期アクセスで出すことが、購入を考えている人に前提を伝え、最終のリリースより前に作り手の計画と目標の情報を渡すことになると書いています。「途中である」と先に伝えるための呼び名と仕組み、という位置づけです。

アルファ版 は実際にどう使われますか

Steam でのアルファ版

完成前の版を、お金を取って外へ出す形は、プラットフォーム(作品を配る場所)の側に用意されています。Steam の早期アクセスがそれにあたります。

Steamworks のドキュメントは、早期アクセスを予約購入の一形態ではないとしたうえで、購入した時点で遊べるゲームか使えるソフトウェアを渡すことを条件にしています。予約購入は後日渡すもので、早期アクセスは今渡すもの、という分け方です。Steam の店側の説明も、早期アクセスは遊べるゲームの完全な購入で、あとから正式リリースへ移っても購入者は引き続き遊べると書いています。

ドキュメントには、守る決まりが7つ並んでいます。

  • Steam のキーを配る第三者のサイトでも、早期アクセスの表示と現在の状態、早期アクセスの案内への行き先を載せる
  • 将来のできごとを具体的に約束しない。いつ完成するか、完成するかどうか、予定した追加が必ず入るかを言わない
  • 早期アクセスを有効にした作品は、Steam のストアでも売る。ほかより遅れて出さない
  • 早期アクセスの価格を、ほかのサービスや Web サイトより高くしない
  • 状態の伝え方を、話す場所すべてで揃える。更新でセーブデータが壊れることが分かっているなら先に伝える
  • 遊べる形になっていない状態で出さない。技術の実演はあっても遊びが決まっていない段階は早すぎる。最低でも遊びの様子を映した動画が要る
  • 開発が終わっている状態で出さない。最後のバグ探しだけが目的なら、鍵を配るか内部の試遊に回す

価格については、早期アクセスのあいだ恒常的な割引を出せないこと、値上げのあと30日は値段を変えたり割引を出したりできないことが書かれています。この30日には、早期アクセスから正式リリースへ移るときの発売記念の割引も含まれます。値上げが移行の30日以内だった場合、発売記念の割引は当たりません。

itch.io でのアルファ版

itch.io では、公開の範囲を3つから選びます。ドキュメントは、新しく作ったページが既定で非公開になること、Public(公開)にすると誰でも見られること、そして Public restricted(制限つきの公開)が、ページは公開しつつファイルの購入とダウンロードを止める形であることを書いています。同じページには、この Public restricted を、まだ出していない作品や、公開を絞りたい古い作品に使うと書かれています。

版の番号でのアルファ版

セマンティック バージョニング 2.0.0 は、版の番号のうしろにハイフンと識別子(見分けるための文字列)を付けたものを先行リリース版と定め、1.0.0-alpha1.0.0-alpha.11.0.0-0.3.7 を例に挙げています。この形の版は、対応する通常の版より低い優先度を持ちます。優先度の並びは 1.0.0-alpha1.0.0-alpha.11.0.0-alpha.beta1.0.0-beta1.0.0-beta.21.0.0-beta.111.0.0-rc.11.0.0 の順です。

同じ文書は、メジャー版(いちばん左の番号)が 0 のあいだ(0.y.z)を初期の開発のための番号とし、この期間はいつ何が変わってもよく、公開する仕様は安定したものと見なさないと定めています。公開する仕様が定まるのは 1.0.0 からです。

アルファ版 に関係する決まり

完成前の版であっても、ストアに並べる手続きそのものは正式の作品と変わりません。Steamworks のドキュメントによると、リリースまでには2つの確認表があります。ストアページ(ストアの中の、その作品の紹介ページ)の確認表と、ビルド(遊べる形にまとめたファイル)と設定の確認表です。

ストアページの側を出すと、Valve の確認に通常3〜5営業日かかります。ドキュメントは、直しが要る場合に備えて、公開したい日の7日以上前に出すことをすすめています。ストアページの確認が先で、ビルドの確認はそのあとにしか出せません。

ビルドの側は、ストアページに書いた機能を全部含んだ、ほぼ最終の版を既定のブランチ(配る版の系統)に上げます。ドキュメントは、絶対の最終版でなくてもよく、確認の最中と確認のあとも更新を続けられると書いています。

発売できるのは、ストアページが承認され、「近日登場」の状態で2週間以上たち、ビルドの確認が終わったあとです。

アルファ版 と混同されやすい言葉

アルファ版 と 早期アクセス は、指しているものの層が違います。アルファ版 は開発の側から見た版の呼び名で、早期アクセスは Steam が用意している売り方の名前です。早期アクセスで売られている作品が、作り手の呼び方でアルファ版とは限りませんし、アルファ版を早期アクセスで売らずに配ることもできます。

アルファ版 と 体験版 も分かれます。体験版は完成した作品の一部を切り出して配るもので、アルファ版は作品そのものがまだ途中の状態を指します。

アルファ版 と 先行リリース版 も、重なりつつ別のものです。セマンティック バージョニングの先行リリース版は、版の番号の書き方の決まりで、alpha は識別子として使える文字列の一例です。番号のうしろに -alpha と書くこと自体は、その版がどこまで作られているかを示しません。

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