INDIE INDEX

テスト・調整

Proton で動くかを確かめるには Linux 環境が要る|Easy Anti-Cheat と BattlEye の設定

公開 2026-09-10更新 2026-09-10Steam(Steamworks Partner Program / Steam Direct

Proton は Windows のゲームを Linux 上で動かす互換レイヤーです。互換性を試すには Linux 環境か開発者キットが要ります。Easy Anti-Cheat と BattlEye には対応していますが、どちらも手で設定する必要があります。

Proton での動きの確かめ方 のページの中身
  1. Proton とは何か
  2. 確かめるのに要るもの
  3. チート対策への対応
  4. Proton で報告されている問題
  5. このページの情報源

Proton とは何か

Proton は、Windows のゲームを Linux 上で実行できるようにする互換レイヤーです。Steamworks のドキュメントは、Proton が修正版の Wine と、性能の高いグラフィック API 実装の集まりを使っていると書いています。

ドキュメントは、ほとんどの API がすでに Proton で扱えるようになっており、ほとんどのゲームはそのまま動くと書いています。Valve は互換性を高める作業を続けており、できるかぎり完全な対応に近づけることを目標としています。

Steam Deck に付く印の条件は Steam Deck のタグ表示 に、Deck 向けの実装の項目は Steam Deck 向けの実装 にまとめてあります。

確かめるのに要るもの

ゲームと Proton の互換性を試すには、Linux 環境が要ります。ドキュメントが挙げている方法は2つです。

  • 手元のコンピュータに Linux と Steam を入れて試す
  • 開発者キットが使えるようになった時点でキットを申請する(数に限りがある)

Linux 環境か開発者キットが用意できたあとは、提供されているデバッグのツールを使って、リモートのデバッガーでゲームのビルドを実行したり、性能を測ったりできます。ドキュメントは、これらのツールが提供開始に向けて開発中であり、詳細は後日このページで知らせると書いています。

チート対策への対応

Proton は、Easy Anti-Cheat や BattlEye といったチート対策のミドルウェアに対応しています。どちらも、各タイトルで手で設定する必要があります。

チート対策ごとの手順

ミドルウェア手順
Easy Anti-Cheat(Epic Online Services 版)ドキュメントが案内している手順に従う
Easy Anti-Cheat(Kamu 版)EAC パートナーサイトで Linux を有効にし、Linux 用ライブラリを名前を変えてデポに足す
BattlEyeValve または BattlEye の技術担当者にメールで問い合わせる
表1

Kamu 版の Easy Anti-Cheat の手順は次のとおりです。

  1. EAC パートナーサイトの SDK 構成設定のメニューを開き、クライアントプラットフォームとして Linux を有効にします
  2. EAC パートナーサイトの「Client Module Releases」のメニューから Unix プラットフォームを選び、モジュールを有効にします。ステータスのダッシュボードで Linux のモジュールが見つからないときは EAC のサポートに問い合わせます
  3. EAC SDK をダウンロードし、ゲームに入れている SDK の版の Linux 用ライブラリ(\Client\Assets\Plugins\x86_64\libeasyanticheat.so)を見つけ、名前を easyanticheat_x64.so に変え、Windows 用ライブラリ(EasyAntiCheat_x64.dll)の隣のデポに足します
  4. Steamworks のサイトで、新しいデポの中身を含むビルドを公開します

ドキュメントは、ゲームの実行ファイルに変更を加える必要はなく、新しいファイルをデポの中身に含めるだけだと書いています。デポとビルドの扱いは Steam のビルドは SteamPipe で上げる にまとめてあります。

以前チート対策によって機能が止められたり制限されたりしていたゲームは、上の手順で Proton/Steam Deck/Steam Machine への対応を有効にすると、再レビューを申請できます。

Proton で報告されている問題

ドキュメントは、Proton との互換性の問題が報告されている領域を5つ挙げています。既知の問題によって、一部のタイトルでは Steam で発売したあとも Proton の完全な対応が遅れる場合があるとしています。

報告されている領域と、書かれている対処

領域ドキュメントに書かれている対処
.NET/WPFランチャーには OS に依存する枠組みではなく Qt のようなスタンドアロンの技術を使う。ランチャーを別に持たず、機能をゲームクライアントの UI に統合する
Media Foundation帯域とディスクの使用が増えるのを抑えるため、VP9 や AV1 などのスタンドアロンのコーデックを使う
チート対策利用者空間で動く部品を使う。カーネル空間のものは現在扱えない
耐タンパー/DRMディスクの使用や全体の性能に影響しうるため、どの PC のプラットフォームでも挙げられていない。Wine 環境で完全に動かすには時間がかかり、対応が遅れる場合がある
上記以外の問題Steamworks 掲示板、GitHub のトラッカー、Valve の連絡先を通して報告する
表2

ドキュメントは、ほとんどのチート対策の提供者と協力して Proton との互換性を用意してきたと書いており、いま使っている仕組みが動かない場合は、その提供元と Valve の両方にサポートを求めるよう案内しています。

このページの情報源

Steam 完全ガイドを順番に読む24本のうち24本目

このページに出た言葉