Steamworks は、Verified の必須条件とは別に、Steam Deck と Steam Machine 向けの項目を挙げています。入力ではコントローラ既定設定とオンスクリーンキーボード、グラフィックスでは Vulkan とスタンドアロンのコーデック、保存では Steam クラウドと、グラフィック設定をクラウドに含めないことです。
互換性の基準とは別に挙がっている項目
Steamworks のドキュメントは、Steam Deck と Steam Machine が基本的には PC であるとしたうえで、その形(フォームファクター)ゆえに遊ぶ人の期待が増える、と書いています。互換性に当てはまる基準に加えて挙げられている項目が、このページのものです。
目的として書かれているのは3つです。入力と表示について遊ぶ人の期待に応えること、性能を上げること、そして Steam Deck と Steam Machine が生む新しい機会を活かすことです。ドキュメントは、これらがコントローラだけで遊ぶ人や、居間だけで遊ぶ人にとっても効くとしています。
印そのものの条件は Steam Deck のタグ表示 にまとめてあります。
Steamworks が挙げている項目と、Verified での扱い
| 分類 | 項目 | Verified での扱い |
|---|---|---|
| 入力 | コントローラの既定の設定だけで全機能に届く | 必須 |
| 入力 | 文字入力のときオンスクリーンキーボードを自動で出す | 必須 |
| 入力 | ジャイロ/トラックパッドの混合入力 | 挙げられている項目 |
| グラフィックス | 主要なグラフィック API を Vulkan にする | 挙げられている項目 |
| グラフィックス | スタンドアロンのコーデック(VP9・AV1 など)を使う | 挙げられている項目 |
| 保存 | クラウドセーブを自動で有効にする | 挙げられている項目 |
| 保存 | グラフィック設定をクラウドのデータに含めない | 挙げられている項目 |
| 表示 | 16:9・16:10 以外の縦横比でも遊べる | 挙げられている項目 |
| 接続 | 1人用の内容はインターネットに未接続でも遊べる | 挙げられている項目 |
| 起動 | ゲーム実行前のランチャー操作を求めない | 挙げられている項目 |
入力
コントローラの既定の設定。ドキュメントは、ゲームの既定のコントローラ設定だけでゲーム内のすべての機能に届くようにすることを挙げており、これは Deck/Machine Verified プログラムでは必須だと書いています。ゲームがコントローラに直接対応していない場合は、マウスとキーボードの入力へ割り当てるコントローラ設定を作ることが挙げられています。
文字入力。遊ぶ人に文字入力を求めるゲームでは、オンスクリーンキーボードを自動で表示することが挙げられており、これも Verified プログラムでは必須です。Steamworks SDK にはオンスクリーンキーボードの API が2つあります。直接キー入力を送る ShowFloatingGamepadTextInput と、コールバックにもとづく ShowGamepadTextInput です。
混合入力。マウス式(1対1の移動)とジョイスティック式のカメラ移動をどちらも扱うゲームでは、両方を同時に扱うことが挙げられています。ドキュメントは、これを「混合入力」と呼び、よくある問題として、マウスでカメラを動かしているあいだジョイスティック入力が締め出される(またはその逆)、マウスでカメラを動かしているあいだコントローラのボタンが効かない、画面上のボタンの図記号がコントローラとキーボード/マウスのあいだで変わる、の3つを挙げています。
直し方として書かれているのは、最後に動いた入力だけを選ぶのではなく、カメラの回転の元になった入力(マウス・ジョイスティックなど)の情報をすべて保存しておき、カメラを更新する前に見る、という手順です。Steam 入力 API を使うと、これらは自動で扱われます。
実世界感度の事前調整(任意)。Steam 入力の「ジャイロからマウスへ」「フリックスティック」と「カメラをリセット」は、遊ぶ人が望むカメラ角度の変化をマウスの出力に変換します。「360度あたりのドット数」は、その変換の比率です。ゲームの側で、マウス1ドットあたりカメラが0.022度回るように設定し、既定のマウス感度を2.5倍にすると、360 ÷ (0.022 × 2.5) = 6545 となり、既定値の6545と合います。ドキュメントは、これが Source 2 エンジンを使うゲームでの標準の設定だと書いています。
グラフィックス
Vulkan。ドキュメントは、性能とバッテリーの持ちのために、主要なグラフィック API を Vulkan にすることを挙げています。Unity や Unreal Engine のようなエンジンを使う場合、すべての利用者向けのビルドで Vulkan を有効にする形が挙げられています。
Proton には DirectX を Vulkan に変換する層が含まれます。ドキュメントは、ゲームやエンジンが質の高い DirectX に対応していて Vulkan に対応していない場合、Vulkan を自分で実装するより、この自動の変換層を使うほうが性能が高い場合があると書いています。
動画と音声のコーデック。特定のベンダーに結び付いたコーデック(WMF など)ではなく、スタンドアロンのコーデック(VP9・AV1 など)を使うことが挙げられています。
保存と設定
クラウドセーブ。セーブができるゲームでは、セーブの自動クラウド化を有効にすることが挙げられています。ドキュメントは、遊ぶ人がファイルを手で移さずに、Deck や Steam Machine でセーブして別の PC で再開したり、その逆ができるべきだとしています。方法は、Steam クラウドか、サーバー側にセーブを置く自動化された第三者のサービスのどちらかです。
グラフィック設定はクラウドに含めない。ドキュメントは、グラフィック設定がクラウドのデータに入らないようにすることを挙げています。理由として書かれているのは、グラフィック設定は機器ごとに決めて保存する必要があるためです。画面の解像度のような設定を機器のあいだで同期することは挙げられていません。
特定の機器(Steam Deck など)に対して既定のグラフィック設定を用意すること自体は問題ないとされていますが、機器に応じて特定の設定に触れられなくすることは挙げられていません。
なお、ゲーム開発者が動いているハードウェアの種類を見分けられるようにする API について、ドキュメントは開発中であり詳細は後日知らせると書いています。
クラウドセーブの上限など、Steam の機能そのものについては Steam で実装が要る3つと、あとから選べる機能 にまとめてあります。
表示・接続・起動
縦横比。ドキュメントは、遊ぶ人が 16:9 や 16:10 だけでなくさまざまな縦横比の画面を使っており、幅や高さがかなり違う場合もあるとして、異なる縦横比でも遊べることを確かめるよう書いています。
オフラインモード。1人用の内容はすべて、インターネットに未接続でも触れるようにすることが挙げられています。新しい Steam アカウントでの初回の起動を含め、接続なしで試すことができます。ドキュメントは、Deck の利用者が、通常のゲーミング PC に比べてネットワークに常時つながっていない場所で遊ぶ可能性が高いと書いています。
ランチャー。ゲームを実行する前にランチャーの操作を求めるのではなく、必要な機能をゲームクライアントに組み込むことが挙げられています。理由として書かれているのは、ランチャーが .NET や WPF のような機種固有の枠組みに依存していることが多く、小さな画面でコントローラを使う人の体験が損なわれる場合があるためです。ネイティブの UI ランチャーが要る場合は、SetGameLauncherMode API を使うと、コントローラの入力がキーボード/マウスの操作に自動で変換されます。
このページの情報源
- Steamworks — Steam DeckとSteam Machine向けにゲームを準備する(入力・グラフィックス・ゲーム機能の項目)https://partner.steamgames.com/doc/steamhardware/recommendations確認日 2026-09-10
- Steamworks — Steam DeckとSteam Machineの互換性レビュー(Verified の必須条件)https://partner.steamgames.com/doc/steamhardware/compat確認日 2026-09-10