Godot は、2Dと3Dのゲームを開発できる無料のゲームエンジンです。商用利用でもライセンス料やロイヤリティは一切かかりません。
Godot とは何か
Godot(ゴドー)は、2Dと3Dのゲームを開発できる無料のゲームエンジンです。個人の趣味で作る場合も、会社が売る商品として作る場合も、支払う金額は変わりません。
無料である理由は、配布の条件にあります。Godot は MIT ライセンス(著作権の表示さえ残せば、改変も再配布も商用利用も認められる条件)で公開されています。そのため、ライセンス料もロイヤリティ(売上の一部をエンジンの提供元に支払うお金)も発生しません。
公式リポジトリに付いたスターは 116,665 でした。エンジンの中身に手を入れた人が、その改良をそのまま本体へ持ち込める形で開発が続いています。
ゲームエンジンは、絵の描画・音の再生・当たり判定・画面の切り替えといった、どのゲームにも必要になる仕組みをまとめた土台です。Godot はこれを1つのアプリケーションにまとめているので、追加の購入や別のツールの導入なしに、企画から書き出しまでを1本で進められます。
- Godot に入っているもの — 追加の購入なしに、企画から書き出しまで進められます
- 2Dの描画 — 専用の座標系を持ち、拡大しても輪郭がにじみません
- 3Dの描画 — 2Dとは別系統の機能として用意されています
- 音・入力・当たり判定 — どのゲームにも要る仕組みが最初から入っています
- 画面と UI の部品 — 会話・メニュー・盤面を組み立てられます
- 書き出し — 遊べる1本のファイルにまとめられます
Godot でなにが作れますか
Godot は2Dと3Dの両方を扱えますが、実際に公開された作品を見ると、作りやすいジャンルの傾向がはっきり出ています。公式ショーケースに載っている作品をジャンルごとに束ねると、次の5つになります。
- 見下ろし視点のアクション・サバイバル — 大量の敵をさばく短時間の周回ものです(例:Brotato、Halls of Torment、Windowkill)。
- デッキ構築型のローグライク・ローグライト — カードや絵柄を組み替えて毎回戦略を作り直す遊びです(例:Slay the Spire 2、Luck be a Landlord)。
- 物語を読ませるアドベンチャー — 会話と演出で進める、独自の画面を組み立てる作品です(例:Until Then、Koira)。
- 観察と推理のパズル — 場面を見て、証拠や語句を並べて答えを組み立てる作品です(例:The Case of the Golden Idol)。
- 一人称視点のホラー・シューター — 狭い3D空間を歩かせ、質感や画面効果を作り込む作品です(例:Buckshot Roulette、Endoparasitic、Cruelty Squad)。
どのジャンルでも、盤面や会話の画面は Godot の UI の部品だけで組み立てられます。
2Dは専用の座標系で描かれるため、ドット絵や手描きの線を拡大しても輪郭がにじみません。3Dは別系統の機能として用意されているので、2Dだけの作品が3Dの重さを引きずることもありません。
Godot で作ったゲームを公開できるプラットフォーム
公式のよくある質問には、書き出せる先として Windows、macOS、Linux と BSD、Android、iOS、Web の6つが挙げられています。このうちパソコン向けと Web 向けは、エクスポートテンプレート(書き出し先ごとに用意された、編集の機能を外した実行ファイル)を入れるだけで最後まで進みます。
Android 向けには OpenJDK 17 と Android SDK を先に入れておく必要があり、iOS 向けには Xcode の入った macOS の機材が要ります。 Web 向けは、遊ぶ人のブラウザが WebAssembly と WebGL 2.0 に対応していることが条件になります。
Web で遊べるようにするための WebAssembly と WebGL
WebAssembly は、ブラウザの中でプログラムを高速に動かすための仕組みです。WebGL は、ブラウザで3Dを描くための仕組みです。どちらも、いまのパソコン向けブラウザとスマートフォンのブラウザには標準で入っています。
Godot から書き出せる先と、そのとき別に必要になるもの
| 書き出す先 | 別に必要になるもの | 気をつけること |
|---|---|---|
| Windows | エクスポートテンプレートだけ | 署名にはツールと証明書が要ります |
| macOS | Apple の証明書 | 公証がないと Gatekeeper に止められます |
| Linux と BSD | エクスポートテンプレートだけ | 拡張子は自由です |
| Android | OpenJDK 17 と Android SDK | 版の指定が細かいです |
| iOS | macOS と Xcode | App Store Team ID が要ります |
| Web | エクスポートテンプレートだけ | C# で書いた作品は出せません |
Godot だけではコンシューマー機に出せません
コンシューマー機(Nintendo Switch や PlayStation などのゲーム専用機)は閉じた環境で、公開には特別な許可と SDK と開発機材が必要になります。 Godot はソースコードが公開されているソフトウェアなのでこの条件と衝突し、公式の書き出し用の部品は配布されていません。 出すには、プラットフォームホルダー(そのゲーム機を販売している会社)に開発者として登録し、承認を受けたうえで、第三者が用意した仕組みを使うか自分で用意します。
Godot で作られた代表的なゲーム
公式ショーケースに掲載されている作品を、そのまま並べています。はじめの5作品は Steam の公式ウィジェットで、残りは作品名と配信先の一覧で並べます。
| 作品 | 配信 | 作った規模 |
|---|---|---|
| Slay the Spire 2Mega Crit | Steam | 会社 |
| Cassette BeastsBytten Studio | Steam・Switch・Xbox | 会社 |
| Buckshot RouletteMike Klubnika | Steam・Switch・PlayStation・Xbox | 個人 |
-
Slay the Spire 2 Mega Crit
カードを集めて組み替えながら塔を登る、デッキ構築型のローグライクです。最大4人の協力プレイもあります。
配信Steam
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Cassette Beasts Bytten Studio
カセットテープに怪物を録音して、その姿に変身して戦うオープンワールドの RPG です。2つの姿を合体させられます。
配信SteamSwitch(機種の印のみ)Xbox(機種の印のみ)
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Buckshot Roulette Mike Klubnika
散弾銃でロシアンルーレットをする対戦ものです。1回はおよそ15〜20分で終わります。
配信SteamSwitch(機種の印のみ)PlayStation(機種の印のみ)Xbox(機種の印のみ)
Godotで作られた、のこりの15本
- Dome KeeperBippinbits配信:Steam
- BrotatoBlobfish配信:Steam・PlayStation
- Halls of TormentChasing Carrots配信:Steam
- Until ThenPolychroma Games配信:Steam・PlayStation
- The Case of the Golden IdolColor Gray Games配信:Steam・Switch・PlayStation・Xbox
- Cruelty SquadConsumer Softproducts配信:Steam
- Windowkilltorcado配信:Steam
- Luck be a LandlordTrampolineTales配信:Steam・App Store・Google Play
- EndoparasiticMiziziziz配信:Steam・itch.io
- ResolutiionMonolith of Minds配信:Steam・Switch・GOG
- KoiraStudio Tolima配信:Steam・PlayStation
- Tiny GardenAo Norte配信:Steam・Switch
- Usagi Shimapank0配信:App Store・Google Play
- Ex-ZodiacBen Hickling配信:Steam・Switch・itch.io
- DOGWALKBlender Studio配信:Steam・itch.io
出どころ:Godot Engine — Showcase|確認日 2026-09-06
Godot の費用とライセンス
Godot 本体の費用は0円です。個人でも、非営利でも、商用でも条件は同じで、期間による制限も売上による制限もありません。
作った作品の権利は、作った人のものです。公式のライセンスのページには、Godot のライセンスと著作権は、あなたが作った中身には及ばないと書かれています。
0円なのは Godot 本体とその公式ドキュメントで、まわりの費用は別にかかります。ストアの手数料は、レベニューシェア(売上のうちストアが取る割合)として売上から差し引かれます。絵や音の素材を買う代金と、コンシューマー機に対応するための費用も、Godot の外側で発生します。
| 項目 | 費用 | 条件 |
|---|---|---|
| Godot 本体 | 0円 | MIT ライセンス |
| 売上に対するロイヤリティ | 0円 | 支払いの義務そのものがありません |
| Godot の公式ドキュメント | 0円 | CC BY 3.0 |
| ストアの手数料(レベニューシェア) | かかります | 各ストアの規定 |
| 絵・音・3Dの素材 | 買えばかかります | 各素材の販売元 |
| コンシューマー機への対応 | かかります | 各プラットフォームホルダーとの契約 |
Godot 自体にかからない費用と、外の会社に払う費用
| 場面 | Godot 側 | 外の会社 |
|---|---|---|
| 手に入れる | 0円 | — |
| 作る | 0円 | 絵と音の素材は買えばかかります |
| 書き出す | 0円 | 署名の証明書は別に要ります |
| 売る | ロイヤリティなし | ストアの手数料がかかります |
Godot で守るのは、ライセンスの文を1か所に載せることだけです
書き出したファイルには Godot 本体のコピーが入るので、ライセンスの文を作品のどこかに載せます。置き場所はスタッフロール・設定画面・同梱の文書のどれでもよく、遊ぶ人がたどり着ける形になっていれば足ります。公式のライセンスのページは、説明書やスタッフロールから godotengine.org/license へリンクを張る形でも条件を満たすとしています。
Godot 本体と Godot の公式ドキュメントはライセンスが別です
公式のよくある質問には、ドキュメントの中身は CC BY 3.0(作った人の名前を示せば自由に使える条件)という別の決まりで公開されていると書かれています。本体は MIT ライセンス、ドキュメントは CC BY 3.0 なので、文章や図を引くときはこちらの条件を見ます。
Godot を手に入れる場所
Godot は公式サイトから無料でダウンロードでき、入れられる台数にも制限はありません。
配布されている版は2種類あります。標準の版と、C# を使うための .NET 版です。C# で書く予定があるかどうかで、最初に落とすファイルが変わります。
ストアで配布している Godot には C# が入っていません
公式のダウンロードのページには、ストアで配布している版には .NET と C# のサポートが含まれないと書かれています。 C# を使うなら、公式サイトの .NET 版を選びます。
- Godot を手に入れるhttps://godotengine.org/
- Godot|公式のダウンロードhttps://godotengine.org/download/
- Godot|Steamhttps://store.steampowered.com/app/404790/Godot_Engine/
- Godot|公式ドキュメントhttps://docs.godotengine.org/en/stable/
このページの情報源
- Godot Engine 公式サイトhttps://godotengine.org/確認日 2026-09-06
- Godot Docs — よくある質問(できること・費用・ライセンス・対応プラットフォーム)https://docs.godotengine.org/en/stable/about/faq.html確認日 2026-09-06
- Godot Engine — ライセンス(MIT・作品の権利)https://godotengine.org/license/確認日 2026-09-06
- Godot Engine — ダウンロード(Windows 版・ストア版の注意)https://godotengine.org/download/windows/確認日 2026-09-06
- Godot Docs — ブラウザ向けの書き出しhttps://docs.godotengine.org/en/stable/tutorials/export/exporting_for_web.html確認日 2026-09-06
- Godot Engine — Console support(コンシューマー機)https://godotengine.org/consoles/確認日 2026-09-06
- Godot Docs — Exporting projects(エクスポートテンプレート)https://docs.godotengine.org/en/stable/tutorials/export/exporting_projects.html確認日 2026-09-06
- Godot Docs — Exporting for Androidhttps://docs.godotengine.org/en/stable/tutorials/export/exporting_for_android.html確認日 2026-09-06
- Godot Docs — Exporting for iOShttps://docs.godotengine.org/en/stable/tutorials/export/exporting_for_ios.html確認日 2026-09-06
- Godot Docs — ライセンスを守るにはhttps://docs.godotengine.org/en/stable/about/complying_with_licenses.html確認日 2026-09-06
- Godot Engine — Showcase(公式ショーケース)https://godotengine.org/showcase/確認日 2026-09-06
- GitHub — godotengine/godot(リポジトリのページ・スター数)https://github.com/godotengine/godot確認日 2026-09-06